最新の研究:空気電池

生体材料ヘムをメディエーターに用いたリチウムー空気電池

生体材料ヘム(ヘムとは、2価の鉄原子とポルフィリンから成る錯体であり、生体内で酸化還元物質。ヘムとグロビンが結び付くと、ヘモグロビンになる)をメディエーターに用いたリチウムー空気電池である。生体材料の酸化還元物質は、母なる大地が進化の過程で選んだ材料であり、優れているはずである。

Nature Communications volume 7, Article number: 12925 (2016)

メディエーターの役割は空気極での酸化/還元反応の過電圧を下げ、触媒として機能することであるが、メディエーター自身も繰り返し酸化/還元反応できる必要がある。

下図に示すように、過電圧を下げることができ、また、第一段階として300時間は安定に作動することが確認されている。

 

空気電池用ダブルレドックスメディエーターの利用

空気電池の課題の一つが、空気極側の反応過電圧が大きく、電圧効率が低いことである。その解決方法の一つとして提唱されているのが、メディエーターの利用である。メディエーターとは
A→Bの反応において、
A→A'→Bと中間生成物A'を経ることでそれぞれの反応過電圧を小さくしようとする思想に基づいている。


Nature Energy volume 1, Article number: 16066 (2016)

本論文では、Li2O2→O2の反応ではTEMPO (tetramethylpiperidinyloxyl )、逆反応では、5,10-dimethylphenazine (DMPZ)などを電解液に溶解して使用する、ダブルレドックスメディエーター方式を提案している。