最新の研究:金属負極電池

Langmuir–Blodgett法を用いて作成した人工的なSEIを金属リチウム負極に適用した高性能金属Li二次電池

Langmuir–Blodgett法を用いてリンドープ還元グラフェン酸化物(rGO)を人工的なSEI被膜を作成し、金属リチウム負極に適用することで、優れた金属リチウム電池を開発した。

 

Nature Energy (2018)

Langmuir–Blodgett法とはエレクトロニクスの分野で機能性有機超薄膜を得るための一つの手段として,知られている。この方法は高度の秩序構造を保ちながら分子の次元で配列を制御することができ,分子エレクトロニクス,バイオエレクトロニクス等,様々な分野で応用が検討されている。

この手法を応用することで、安定なSEIを実現し、また、リチウムのデンドライトも抑制できる。NCM811正極と組み合わせて安定なサイクル(ただし、実用化には不十分なレベルではあるが)を示した。

 

金属負極-リチウム合金をグラフェンシート間に閉じ込めた自立膜を電極活物質に用いた高サイクルリチウム電池

金属リチウムやリチウム-シリコン合金をグラフェンシートで挟み込むことで、空気中でも安定に取り扱える負極をスタンフォード大が報告した。


Nature Nanotechnology volume 12, pages 993–999 (2017)

金属負極、たとえば、シリコンは粒子表面が酸化されやすく、そのまま使用すると不可逆容量の原因となり、好ましくない。初めからシリコンとリチウムを反応させておくと不可逆容量を低下させることができるが、空気中で不安定である。また、金属負極の最大の課題は、充放電に伴う大きな膨張収縮によって、金属粒子が脱落して電子ネットワークが取れなくなり、電池容量が低下してしまうことである。

本論文では、シリコンなどの金属負極とリチウムからなる合金をグラフェンシート間に閉じ込め、空気中で安定な自立膜とした。また、電子伝導性のあるグラフェンシートで閉じ込めているため、充放電を繰り返しても容量の低下を抑制でき、400サイクルとにおいても98%の高い容量維持率を実現した。

課題は、やはりグラフェンの高価格であろう。