EV/PHEVの市場/技術動向

EV/PHEV の普及台数の現状

IEA によると、世界の EV と PHEV の普及台数は、2015 年末には約 126 万台(EV 約 74 万台、 PHEV 約 52 万台)となり、前年比約 80%増と大幅に拡大した(図 1-6)。
台数的には、PHEV より EV の方が多く普及しているが、これは主に中国で EV 販売台数が拡大し ているためで、中国市場の拡大傾向は今後も継続するとみられる。

2015 年末時点での EV 累積普及台数は全世界では約 74 万台であり、国別では中国(約 22.6 万 台)、米国(約 21.0 万台)、日本(約 7.1 万台)の順である(図 1-7)。特に中国は、2014 年時点での 普及台数が約 7.9 万台で世界 2 位の市場であったため、一年間で大幅に普及が進んだといえる。

PHEV の 2015 年末時点での累積普及台数は全世界で約 52 万台であり、国別では米国(約 19.4 万台)、中国(約 8.7 万台)、オランダ(約 7.8 万台)、日本(約 5.5 万台)の順になっている(図 1-8)。 2014 年時点での PHEV 普及台数は、上位から米国(約 15.1 万台)、日本(約 4.1 万台)、オランダ (約 3.7 万台)、中国(約 2.6 万台)であり、PHEV でも中国市場の拡大が顕著である。

EV/PHEV の普及台数の将来見込み

IEA は、各国の導入目標台数を合算した普及予測を発表している(図 1-9)。これによると、2020 年には EV/PHEV 導入台数は約 1,290 万台と、現在の約 10 倍の規模に達すると予想しており、特 に中国は 460 万台で世界最大の市場になるとしている。

EV/PHEV の技術開発動向:全体的な傾向

表 2-1、表 2-2 に主要自動車メーカの EV/PHEV 開発の方向性をまとめる。 主要国の規制とインセンティブ政策を受け、自動車メーカは環境規制対応車両の主力を EV と
PHEV へシフトしている。その中で大きなトレンドは、EV、PHEV ともに EV 走行距離の延長である。 EV では、日産自動車は LEAF の電池パックのサイズを同じままに、搭載電池を 24 kWh から 30 kWh へ増加させ、EV 走行距離を 228 km から 280 km に延長した 2016 年モデルを発表している。 BMW i3 も、2013 年モデルでは EV 走行距離が 229 km であったが、搭載する蓄電池を 21 kWh か ら 33 kWh へ増やした 2017 年モデルでは、EV 走行距離を 390 km まで延長することを発表してい る。Renault ZOE も、搭載する蓄電池を 22 kWh から 41 kWh に増やし、EV 走行距離を 240 km から 300 km 以上に延長すると 2016 年 9 月に発表している。GM は、60 kWh の電池を搭載し、EV 走行
距離 380 km の Chevrolet BOLT を 2016 年に市場投入した。
同様に PHEV では、GM は 2016 年に Chevrolet VOLT の搭載電池の容量を 16 kWh から 18 kWh
に増やし、EV 走行距離を 56 km から 85 km に延長した。またトヨタ自動車も、電池容量を 4.4 kWh から 8.8 kWh へ増やして EV 走行距離を 26 km から 68 km に延長した新型 PRIUS PHV を 2017 年 に発売すると発表している。
このように、自動車メーカの EV/PHEV の開発トレンドのひとつは EV 走行距離の延長であり、2020 年に EV 走行距離 500 km 以上等の目標が掲げられている。その実現には低コストで高容量な電池 パックの開発が必要となるため、例えばドイツの自動車メーカ(VW、Daimler、BMW)は、将来の内製 化も念頭に置いて、EU 及び国内の蓄電池関連プロジェクトに積極的に参画し、先進 LIB、革新型蓄 電池の包括的な研究開発を行っている。
またドイツの自動車メーカは、クリーンディーゼル車からの転換を図り、2030 年まで環境対策の中 核をなす車両として、EV 及び PHEV モデルを強化する方針を公表している。米国の自動車メーカで も、GM が CADILLAC 等の高級車も含めた PHEV モデルを積極展開しており、Ford も EV、PHEV ともにモデルを増強している。
欧米の自動車メーカが、大規模市場としてポテンシャルを有する中国市場に参入するには、中国 の環境規制の認証獲得のために中国企業との合弁会社を通じて現地生産する必要がある。VW は 1991 年から第一汽車と合弁会社を設立する等、早い時期からの中国市場への参入が功を奏してお り、2017 年以降、現地生産した EV と PHEV を多数発売することを発表している。
欧米の自動車メーカに後れを取っていた日本の自動車メーカも、現在 EV/PHEV の中国展開を 進めている。トヨタ自動車や日産自動車、及び本田技研工業は、中国の合弁会社を通じて 2018 年 以降、EV や PHEV を発売する計画を公表している。車載用蓄電池に関しては、トヨタ自動車はプラ イムアース EV エナジー等が出資した科力美汽車動力電池から調達しており、ホンダは 2017 年から 稼働予定のパナソニック大連工場から調達する計画である。

EV/PHEV の技術開発動向:日本の自動車メーカ

トヨタ自動車

トヨタ自動車は 1997 年の初代 PRIUS 発売以来、独自の HEV 技術により、現在 90 カ国・地域に おいて 33 車種の HEV と 1 車種の PHEV を販売している。HEV の累積販売台数は 2016 年 4 月時 点で 900 万台を突破しており、HEV では他社の追随を許さない。また環境対応車の中核は FCV と 位置付けているのは周知の通りであるである。しかし PHEV では苦戦しており、2017 年発売の 2 代 目 PRIUS PHV では、電池容量を初代 PRIUS PHV の 4.4 kWh から 8.8 KWh に増加することで EV 走行距離を 26 km から 68 km として、PHEV 市場のイニシアティブ獲得を目指している。
トヨタは、2015 年 10 月に「トヨタ環境チャレンジ 2050」を発表し、2050 年に同社が世界で販売する 新車の走行時 CO2 排出量(平均)を 2010 年比で 90%削減するという目標を掲げた。2050 年には、 ごく一部の地域を除き、エンジンのみの車の販売をなくし、HEV、PHEV、EV、FCV といった電動車 両を中心にする。そのため、コンパクト車、ミニバン、商用車に至る全車種において HEV をラインアッ プし、2020 年までに年間で 150 万台、累積販売台数 1,500 万台を目標としている。その後、PHEV、 EV、FCV の販売台数を増加させていく計画である。
しかし、カリフォルニア州の ZEV 規制や中国の NEV 規制で HEV がカウントされないことになった ことや、欧州・米国・中国で EV の普及が急速に進んでいること等を受け、2018 年に中国市場でカロ ーラとレビンの PHEV を発売すると発表した。ただし、その発売当初は、中国の現地生産率が低く、 中国政府の補助対象とならないことが見込まれる(HEV は既に現地生産となっている)。トヨタ自動車 は、この PHEV を購入補助の対象とすべく車載用蓄電池等を、中国生産に移行させてゆくと考えら れる。


トヨタ自動車は、安全性の問題から 1997 年の初代 PRIUS では NiMH 電池を採用していたが、 2011 年発売の PRIUS Gen3 上級グレードで初めてパナソニック製角形 LIB セルを採用した。採用の 理由としては、NiMH 電池よりも 16 kg 軽量であり、車重の面で不利な上級グレードにおいても燃費 の低下を抑えることが可能であることが考えられる。更に 2015 年発売の PRIUS Gen4 でも、Gen3 同 様に上級グレードで LIB が採用された。トヨタ自動車では LIB を自社製造していないが、電池の基礎 的な研究から車載技術まで網羅する研究開発体制を整えており、500 人規模の開発研究員がいる。 また、北米や欧州に拠点を持ち、最先端の電池研究を行いながら、情報収集を行っている。
よく知られているように、エネルギー密度の向上を期待して、革新型蓄電池の開発を行っており、 LIB の次世代電池として全固体電池に着目し、積極的な開発に取り組んでいる。2014 年には硫化 物系材料を固体電解質に用いた全固体電池の 2Ah ラミネートセルを試作して電池パックを組み、小 型 EV の COMS の駆動に成功している。また、NEDO 事業「リチウムイオン電池応用・実用化先端技 術開発事業」(2012~2016 年度)において従来のリチウムイオン伝導体 Li10GeP2S12 の 2 倍の伝導率 を示す Li9.54Si1.74P1.44S11.7Cl0.3 を発見した。この超イオン伝導体を応用した全固体電池を試作し、現行 のリチウムイオン電池と比較して、室温で 3 倍以上の高速の充放電が可能で、低温、高温時においても優秀な性能を示すことを明らかにした。更に同社は RISING、RISING2 の NEDO 事業にも参画し、 電池開発に力を注いでいる。
トヨタ自動車の電池開発のロードマップでは、全固体電池の実用化は 2020~2025 年としており、 600 Wh/L、3,000 W/L を目指している。最終的には金属空気電池で 2030 年に 1,000 Wh/L、2,000 W/L 以上のエネルギー密度を目標としている。

本田技研工業(ホンダ)

ホンダは、2011 年に次世代のモータリゼーションのあり方として「Earth Dreams Technology」を発 表し、2020 年までに全世界で販売する製品の CO2 排出量を 2000 年比で 30%の低減を目指すとし、 これまで環境性能面で EV/PHEV を中心とした開発を行ってきた。
2013 年には ACCORD PHEV を発売したが、EV 走行距離が 25 km 程度と短いために販売が伸 びず、2016 年 3 月に生産中止となっている。同様に、リース販売していた FIT EV も 2016 年 3 月に 生産を中止している。
しかしその後の環境規制の強化こと、電池性能の向上と低コスト化が進んでいることを受けて、 PHEV を電動化の主軸として位置付け、2018 年に北米で PHEV を発売することを発表した。また 2016 年には、2030 年までに販売台数の 2/3 を HEV、PHEV、EV 及び FCV とする計画を明らかに した。
中国市場向けには、2016 年に ACCORD HEV を発売し、2020 年までに中国国内で生産した PHEV を発売するという計画を発表している。

ホンダは、開発初期段階では NiMH 電池を採用していたが、GS ユアサと合弁会社ブルーエナジ ーを設立し、同社製の LIB を採用している。最近になり、パナソニックを第 2 ベンダーとして選定し、 2016 年発売の ODYSSEY HEV には同社の LIB を採用した。これは将来的に中国での PHEV 用 LIB ベンダーとしてパナソニックを想定した選択である。現在、パナソニックが中国・大連で建設している 電池生産工場が完成した後は、こちらから LIB を調達する計画である。ブルーエナジーは中国を含 む海外での生産計画がないことから、同社は国内向けを前提とした開発方針を採っているとみられ る。
またホンダは、セルメーカからモジュール状態で調達し、自社でパック化を行っており、インテグレ ーションも含めシステム全体として蓄電池の効率向上を目指している。しかし自社での研究開発では、 電池材料等基礎研究にも取り組んでいる。現状の LIB には、正極材料に NCM111、負極材料にハ ードカーボンと黒鉛系材料を採用しているが、2018 年発売予定の PHEV 用 LIB には、HEV 用 LIB よりも高容量化が必要であるため、高容量正極材料のニッケル含有量を増加させた NCM に着目し た研究開発を実施している。

日産自動車

日産自動車は、2009 年に次世代環境自動車の主力を FCV から EV に転換し、世界に先駆けて 2010 年 12 月に量産型 EV の LEAF を発売して、EV メーカとして先駆的存在となった。LEAF は、 2015 年までの世界累計販売台数が約 19 万台となり、世界販売台数で 1 位の EV である。
これまでに LEAF は 2 回のモデルチェンジをしているが、2 回目である 2015 年 12 月以降のモデ ルでは、EV 走行距離がこれまでの 228 km から 280 km に向上した。この EV 走行距離の延長には、 電池パックのサイズの変更なしに、正極材料を LMO22から NCM111 へ変更して高エネルギー密度化 が達成できたこと、また電池モジュールを構成する電池セルの数を 4 個から 8 個に変更して電池モ ジュール数を 48 個から 24 個に半減させたことにより、電池パックの電池容量を 24 kWh から 30 kWh に増加させたためである。
現在、日産では EV の生産を、世界 5 カ所の工場で行っている。日本の追浜工場を LEAF のマザ ー工場とし、その他に英国サンダーランド工場、米国スマーナ工場、スペイン バルセロナ工場、及 び中国 花都工場(東風日産汽車)で生産している。年間生産能力では米国スマーナ工場が 15 万 台、追浜工場と英国サンダーランド工場が 5 万台であり、3 拠点を合計すると、LEAF の年間生産能 力は 25 万台である。
日産は 2016 年 11 月に、ガソリンエンジンを発電専用とするレンジエクステンダー型 EV NOTE e -POWER を発売した。販売開始月の販売台数が 2 万台を超え、大きな反響があった。使用している 蓄電池容量は 1.47 kWh で、電池コストを大幅に抑えることに成功し、かつ EV の不便さである充電 の手間が省いたことがその一因としている。
今後も、EV を次世代自動車の中核と位置付け、ラインアップの拡充を計画している。

LEAF 発売前の 2007 年 4 月に、日本電気及び NEC トーキンと、車載用 LIB 製造会社オートモー ティブエナジーサプライ(AESC)を合弁で設立した。これまで LEAF の LIB セルは AESC から調達し てきたが、NOTE e-POWER 用蓄電池にはパナソニック製角形 LIB セルを採用した。新規開発する よりも、価格競争力が期待できることがその理由であり、価格重視の方針は今後も続くとみられる。
2020 年までの EV 開発目標として、次世代 LEAF の EV 走行距離を 500 km 以上に延長するとし ており、そのため 60 kWh の電池パックの開発を進めている。2015 年の LEAF モデルから電池パック 構成を見直した上で電池セルを高容量化し、セル数を更に増やすとしており、電池パックの高エネ ルギー密度化とコンパクト化によって実現するとしている。
さらに NEDO の「リチウムイオン電池応用・実用化先端技術開発事業」にも参画。2015 年には高 性能リチウムイオン電池技術開発プロジェクトにおいて高容量 Si 合金負極の研究開発を実施した。 急冷ロール法を適用した耐久性に優れるシリコン合金負極活物質の量産工法を開発し、このシリコ ン合金負極を使用した 4 Ah 級大型セル(黒鉛・Si 合金の混合負極/固溶体正極)において、エネル ギー密度 270 Wh/kg と 300 サイクルで容量維持率 80%を達成すると共に、高い安全性や、高容量かつ高耐久性の両立が可能な設計指針および耐久性の向上に有効である導電助剤やバインダを 明確にするなどの成果を挙げた。

三菱自動車

三菱自動車は 2009 年 6 月に環境ビジョン 2020 を発表し、「EV で先駆け、『人と地球との共生』を 目指す」として、2020 年に EV 生産台数比率 20%の目標を掲げ、2009 年 7 月に日本初の量産型乗 用 EV iMiEV を発売した。その後、商用車として MINICAB-MiEV VAN、MINICAB-MiEV TRUCK 及 び SUV OUTLANDER PHEV を 2011 年から 2013 年にかけて発売した。
同社は EV におけるトップランナーとして 2013 年には次世代 EV 及び PHEV に対する取り組みと して「ニューステージ 2016」を発表し、EV と PHEV の大幅な拡大を目論んでいた。しかし 2016 年 4 月に発覚した燃費試験データの不正行為により、信頼下落によって自力による信頼回復が困難と判 断し、2016 年 10 月に日産自動車に発行済み株式 34%を売却して Renault・日産アライアンスの傘 下となった。EV/PHEV 戦略の根本的見直しが図られ、今後日産とのプラットフォームの共通化や技 術開発の分担等、日産の支援の下経営改善が図られることとなる。新たな EV 戦略は、今後明確に なるとみられる。

三菱自動車は角形 LIB をリチウムエネジージャパンと東芝から調達しており、iMiEV、 OUTLANDER PHEV に採用している。同社は車載用蓄電池の開発は行っておらず、Renault・日産 アライアンスが今後の調達方針に影響を及ぼすと考えられるが、現時点で明確な動きはみられてい ない。

EV/PHEV の技術開発動向:ドイツの自動車メーカ

VW の排ガス不正問題発覚以降、ドイツではディーゼルエンジン車への減税措置が打ち切られ、
また、電動車購入補助金制度が導入されたことから、EV/PHEV への転換が加速する環境が整いつ つある。共通の開発動向としては、高エネルギー密度 LIB の搭載量増加による EV 走行距離の延長 が明確なトレンドである。蓄電池にはまだ改良の必要があり、2030 年までは少なくとも政府による環 境対応車両の販売を促進する購入補助が継続することから、今後も EV と PHEV の 2 本柱で開発・ 普及を進めてゆくことが考えられる。

Volkswagen(VW)

VW は 2016 年 6 月に発表した新戦略「Strategie2025」において、EV/PHEV 化を今後の柱とする 2025 年までの目標を発表した。
新戦略では 2025 年の年間 EV 販売台数目標を 200~300 万台としているが、これは同社の自動 車総販売台数の 20~25%にあたる。2025 年までに 30 車種以上の EV を順次発売する計画である。 更に同社は、2016 年 11 月に「TRANSFORM 2025+」を発表した。ここでは、2025 年までに世界で 初めての EV 年間販売台数 100 万台を達成するメーカになることを目標に、EV を主体とした具体的 計画を新たに示す等、EV 戦略の強化をアピールしている。その戦略の核となるのが EV 走行距離の 延長であり、2020 年から 2025 年頃までは現行の LIB の改良により 400 km から 600 km への延長を
目指す。また 2025 年までには 20 車種以上の EV/PHEV を発売するとしている。
「TRANSFORM 2025+」の中核をなすのが、EV 専用に開発した新世代のモジュラープラットフォー ム「MEB」(Modular Electric Platform)で、その第一弾として BUDD-e を 2019 年に発売する予定であ る。将来的に MEB はコンパクトタイプバンから PHAETON 等の大型車へも搭載される等、VW は MEB ベースの EV を順次発売する計画である。また MEB は、Audi 及び Porsche ブランドの EV にも 採用される見込みである(表 2-5)。Porsche は、同社の EV である Mission E の開発に 10 億ユーロ
を投資する予定である。
また VW は、世界最大の自動車市場である中国を北米以上の重要拠点と位置付け、中国政府の
先進エネルギー自動車政策に呼応し、40 億ユーロを投資して、2016 年から 2020 年までに 15 車種 の EV/PHEV 等を発売する計画を発表している。

VW は韓国を中心としたアジアからの LIB セルを調達するものと考えられる。
同社は 2025 年に EV/PHEV/HEV 200 万台超の販売目標を掲げており、電池調達戦略について は 2017 年初頭までに製造拠点を含む具体的な計画を立案するとしている。VW グループ全体の年 間蓄電池需要が 2025 年には 150 GWh になると見込まれ、供給体制の確立は急務となる。
同社は「TRANSFORM 2025+」の中で、将来戦略としてセルのパイロット施設・電池システム・電気 ドライブトレインの 3 つの分野への投資を重要事項として挙げている。特に自社での研究開発を強化 するため、ドイツ蓄電池メーカ VARTA Microbattery GmbH と、2009 年に車載用 LIB セルを共同開 発するジョイントベンチャーを設立した。技術的、価格競争的に優れた車載用 LIB の開発を目指し て、材料研究、電池特性評価、及びセルのパイロット試作まで行っている。
VW は、正極材料では高容量化を目的にハイニッケル NCM を開発しており、現行 LIB に採用さ れている NCM11118から NCM 62219、NCM81120への転換と、リチウム過剰 NCM の検討を実施してい る。負極材料では、カーボン材料に 15%までシリコンを添加し、シリコン系負極材料の弱点である体 積変化や低電気伝導性、機械的脆弱性等を最小限に抑えることを狙った開発を行っている。また負 極にシリコンとカーボンの複合体材料、正極にリチウム過剰 NCM を用いたプロトタイプ LIB セルを開 発し、800 Wh/L、350 Wh/kg を報告している。
VW はその他にも、欧州の車載用革新電池プロジェクトである、LABOHR(リチウム空気電池)、 LISSEN(リチウム硫黄蓄電池)等に参画している。また金属リチウムを用いた全固体電池においても 1,000 Wh/L、500 Wh/kg をターゲットに研究開発を行っている。

Daimler(ダイムラー)


Daimler は CO2 排出規制の強化や、欧米における CAFE 基準強化を目前に、EV 及び PHEV を 強化するロードマップを発表した。全体として、2020 年までに年間 10 万台の EV/PHEV/HEV の販 売を目標に掲げている。特に EV よりも PHEV を重要視しており、2017 年に 10 車種の PHEV モデル を発売する予定である。
EV は、現行プラットフォームを基に EV 走行距離 500 km を実現させる方針であり、2020 年までに 2 車種のセダンと SUV を発売し、その後 2024 年までに 6 モデルの EV を発売する計画である。
Daimler は、直近 2 年間の 145 億ユーロの研究開発費のうち、54 億ユーロを EV/PHEV/HEV の 研究開発に費やす計画である。なお Daimler は、Renault・日産との EV 共同開発で、2017 年に Smart の EV モデルを発売するが、その中で同社は蓄電池システムの開発を担当している。
また同社は、2009 年に Tesla との EV 開発提携を結び、2014 年には提携の成果として B-Class Electric Drive(B250e)を発売した。しかし、2016 年 3 月にこの提携の解消を発表し、今後は単独で EV モデルの開発を行う。
Daimler は 2010 年 5 月に中国での EV の開発を目的として、BYD と Shenzen BYD Daimler New Technology を設立した。また同社は、2014 年 9 月に中国向け EV として、BYD の蓄電池を採用した DENZA を発売した。

Daimler は、Li-TEC Battery による LIB のコスト競争力がないことを理由に、LIB セルの自社生産 を断念し、2015 年 12 月にセル生産を中止した。更に、Li-TEC Battery の電極とセパレータ事業を カナダのセルメーカ Electrovaya に売却した。その一方で 2016 年秋に子会社の Deutsche Accumotive を通じて、Kamenz 工場(ザクセン州)の隣接地約 20 万 m2 の用地を取得し、LIB 電池パ ック組み立て工場の新設を発表した。投資額は 5 億ユーロとされ、2017 年夏からの稼動を予定して いる。なお LIB セル自体は LG 化学、サムスン SDI、SK イノベーションから調達し、Deutsche Accumotive は LIB 電池パック組み立てに専念し、低コスト化と生産能力増強に注力する見通しであ る。
Daimler は先進 LIB と革新電池については、イニシアティブを奪還するチャンスとして電池の材料・ パッキング・製造プロセスに関する技術開発を自社で確立するため、ドイツの電動モビリティプラット フォーム(Nationale Plattform Elektromobilität:NPE)や Batterie2020、KLiB 等のコンソーシアムに参 加し、材料から生産技術まで一気通貫した開発を行っている。

BMW

BMW は、2007 年より環境調和型の次世代自動車開発を目指したプロジェクト「i」を発足し、燃費 だけではなく、ライフサイクルにおけるトータルな環境対応を目的とした取り組みを行っている。同社 は、その当初より EV、PHEV、FCV 等の開発を積極的に展開してきた。
同社は、2030 年頃までは PHEV が最適なシステムであるとしており、今後数年以内に全てのモデ ルで PHEV を展開する計画である。2016 年下期に発売した 40e iPerformance を皮切りに、2017 年 に iPerformance ブランドの PHEV シリーズを発売する予定である。
2013 年に発表した EV の i3 は、2016 年 7 月に搭載蓄電池容量を 22 kWh から 33 kWh へ増やし て EV 走行距離を 229 km から 390 km に延長させている。
中国市場においては、Brilliance との合弁会社である BMW-Brilliance 瀋陽工場(遼寧省)で PHEV の 530ie を生産しているが、今後中国政府の NEV 向け補助金を念頭に、更に複数のモデルの EV、 PHEV を開発し、同工場で生産する計画である。
なお、同社ブランドである MINI と Rolls-Royce でも、それぞれ EV と PHEV の開発が行われている が、発売については未定である。

BMW i3 の LIB 電池パック構成は、8 モジュール(1 モジュールは 12 セル)で、アルミニウムハウジ ングを採用している(表 2-6)。
BMW は、ドイツでの LIB セル内製は現時点では考えていないとされる。中長期的には内製もあり うるが、サムスン SDI と供給契約を締結しているため、新規の調達や内製の動きは早くても 2020 年 以降になるとみられる。サムスン SDI とは、2014 年に LIB セルの供給拡大に関する覚書を締結し、更 に先進 LIB や革新型電池の包括的研究開発を行っている(例.シリコン系負極材料、リチウム空気 電池等)。なお BMW は、セルは調達するものの、独 Dingolfing 工場でモジュールと電池パックの製 造を行っている。
また BMW は、正極材料として高ニッケル NCM 系(NCM622、NCM811)の検討を行うと共に、 NCM811 を正極に採用した全固体電池の研究を行っている。

 

EV/PHEV の技術開発動向:米国の自動車メーカ

米国では、CAFE 基準による排気ガス対策、GHG 排出抑制が強化される中、カリフォルニア州の
ZEV 規制によって大規模製造販売メーカ(GM、Ford、FCA 等)は、2020 年には新車販売の 12%を、 2025 年には 22%を EV/PHEV にしなければならない状況にある。
このような規制の強化に対応するために、ビッグスリーは EV/PHEV 開発への取り組みを加速させ ている。

General Motors(GM)

GM は早期から EV/PHEV の展開を戦略の要として位置付けてきた。
EV では、2016 年に 62.8 kWh の電池を搭載し、EV 走行距離 380 km の Chevrolet BOLT を販売 した。また PHEV では、Chevrolet VOLT の搭載電池の容量を 16 kWh から 18 kWh に増やし、EV 走行距離を 56 km から 85 km に延長した。更に 2017 年に CADILLAC CT6(PHEV)を開発する等、 大型ラグジュアリーカーの EV 化にも取り組み始めている。
2012 年に同社が発表したロードマップでは、2017 年までに EV 普及台数を 50 万台にするとの目 標を掲げていたが、原油価格下落により追い風を失い、目標の達成は困難な状況である。しかし米 国での EV 販売台数を、2015 年の 1.4 万台から 2020 年には 32 万台、2025 年には 60 万台を目標 に引き上げる計画である。また 2016 年春の Chevrolet MALIBU Hybrid(HEV)の投入を機に、従来 の方針であったレンジエクステンダー型 EV とマイルド HEV(eAssist)を中心とした展開から、HEV と PHEV を中心とする展開に方針を変換した。これは CAFE 基準と ZEV 規制に対応することが主な理 由とみられる。
更に GM の世界販売の 1/3 を占めている中国市場において、2020 年までに EV/PHEV 10 車種 の販売を計画している。
このように GM はグローバルに EV/PHEV 化を推進しており、2013~2015 年に EV の開発を加速 させるために 2 億ドル規模の投資を行い、ミシガン州ポンティアックにあるパワートレイン・エンジニア リング本部を増強して、米国内の EV 関連の開発機能を集約した。具体的には、2014 年にインディア ナ州キャッスルトンにある大型商用車の変速機・パワーエレクトロニクス・HEV/バッテリーユニット開 発機能、カリフォルニア州トーランスにある Advanced Technology Center の EV モーターパワーエレ クトロニクスのエンジニアリング機能をポンティアックに移管した。また 2015 年に、ミシガン州ウィクソム にある Advanced Engineering Lab の EV モーターエンジニアリング/パフォーマンスエンジニアリング 機能をポンティアックに移管した。

GM が PHEV 旗艦モデルとして 2017 年に発売する CADILLAC CT6 のセルは、最大出力 120 kW、容量 18.4 kWh、電圧 355.4 V、総セル数 192 という設計で、VOLT とほぼ同じ仕様となってい る。
GM と LG 化学は包括契約を締結しており、LG 化学は 2016 年から 2019 年までは LIB を 145 ド ル/kWh で提供し、また 2020 年には 100 ドル/kWh の価格を目指している。ただし、この LIB コスト低減の具体的な内容は示されておらず、不透明な要素もある。
GM は、革新型蓄電池研究では特に負極用シリコン系材料の開発に注力しており、USABC21にも
参加している。

Ford

Ford は 2004 年に ESCAPE Hybrid を販売し、HEV の開発を行ってきた。GM とは異なり、資金回 収の目途が立つまでは新規の開発や生産投資は最小限に控える方針であるという。
Ford は、2020 年までに全車種における EV/PHEV/HEV 比率を 40%にするという計画を発表して いるが、EV や PHEV ではなく、主に HEV の改良と車両軽量化による性能向上に注力している。
2018~2019 年における CAFE 基準を念頭に、燃費対応として 2 モータのシリーズ・パラレル HEV と、これをベースとした PHEV モデルの拡大を目指しており、ミシガン州ディアボーンの Advanced Electrification Center を拠点に開発を行っている。
なお、販売時期は未定ながら、EV 走行距離 320 km 以上の EV の新車種 Model E を開発中とさ れる。また、2013 年からは Renault・日産と車載用蓄電池の開発で協力している。

Ford は、2013 年秋に設立されたミシガン大学電池ラボである U-M Battery Lab で電池研究を実 施している。これは Ford、ミシガン州政府、ミシガン大学の共同出資で運営されている研究所で、薄 型電極による高エネルギー密度化に取り組んでいるとされる。
また Ford は、LIB の安全性をコンピュータ支援設計(computer-aided engineering:CAE)で評価す る米国 DOE のプロジェクトに参加しており、2015 年までは NREL と共同研究を行ってきた。現在は Oak Ridge National Laboratory、Livermore Software Technology と共に蓄電池評価シミュレーション ツールを開発中である(DOE プロジェクト、2016 年 1 月~2018 年 12 月)。

Fiat Chrysler Automobiles(FCA)

FCA は、GM、Ford と比較して、資金力や開発力で大幅に遅れを取っている。比較的車体重量が 大きい車両が中心のラインアップであることから、CAFE 基準に基づく燃費規制や ZEV 規制に対して も、自社だけでの解決はかなり難しいとされ、他社との提携関係の構築や低公害車製造ベンチャー 企業の M&A も検討しているとされる。
ただし、直近では既存車種の PHEV 化を主たる環境規制対応としている。具体的には、2016 年 1 月にミニバン PACIFICA PHEV を発表している。

PACIFICA PHEV では、LG 化学製 LIB(ラミネートセル)を採用している。バッテリー電池パック化 まで LG 化学が担当し、自社では車両への取り付けのみを行っている。今後も自社での蓄電池開発 の見込は薄い。

Tesla

Tesla は、2008 年の EV スポーツカーROADSTER を皮切りに、2012 年には Model S、2015 年 9 月 には初の SUV 型 EV Model X を発売し、EV 専門メーカの旗手として評価を高めてきた。
同社モデルの共通の特徴は、18650 円筒形セルを数千個使用することによって実現した長い EV 走行距離と、ラグジュアリーカーとしての優れたデザインが挙げられる。これらの成功で蓄積してきた 技術力を背景に同社は、2016 年 3 月に初の普及型 EV として Model 3 の発売を発表し、2017 年中 に本格的に世界販売を開始する予定であると発表した。価格は 35,000 ドル程度であり、同モデルの 公開後 10 日余りで 40 万台の事前注文を記録した。
大量生産とコスト削減を実現するため、パナソニックと連携して米国ネバダ州に大規模蓄電池生 産工場ギガファクトリを現在建設しており、完工予定の 2020 年までにギガファクトリに 50 億ドルを投 資する予定である。現在、この完工を根拠に Tesla は 2020 年までに年間 50 万台の EV 生産を目標 として掲げている。その中核となる Model 3 では LIB のコストダウンと EV 走行距離確保の両立を目 的として、従来の 18650 セルから 21700 セルに変更する予定である。
また更に、上市時期は発表されていないが、普及型 SUEV Model Y を開発中であり、2018 年中の 発売を目標としている。
また、2017 年の Model S のマイナーチェンジでは、電池容量を 85 kWh から 90 kWh に増加させ、 EV 走行距離も 400 km から 500 km 以上に延長された。

前述のように 2009 年にパナソニックと LIB 供給契約を締結したのを皮切りに、2010 年 1 月には更 に EV 用次世代電池の共同開発を発表した。2013 年には Model S と Model X への大量採用を見込 んで、2017 年までに 20 億セルの供給契約を結んでいる。更に現在蓄電池生産の拠点として Tesla が 34 億ドル、パナソニックが 16 億ドルを拠出してギガファクトリの建設を進めている。

ギガファクトリ建設等により EV 用蓄電池生産体制を整えつつあるが、現在予定される生産体制で は、2020 年に目標とする年間 50 万台に必要な蓄電池を調達することは難しいことが明らかになって いる。現在、生産中止した ROADSTER の交換用蓄電池に LG 化学の電池を採用していることから、 生産台数を確保するためにパナソニック以外から蓄電池を調達する可能性もある。

EV/PHEV の技術開発動向:フランスの自動車メーカ

Renault(ルノー)

Renault は、低燃費ディーゼル車やエンジン車の改良等で CO2 排出規制に対応する方針である。 その売り上げの半数は、ディーゼル車であるが、一方で EV/PHEV の開発を積極的に行ってきた。こ れまでに開発、発売した EV は、2011 年の KANGOO Z.E.を含め 5 車種である。
2010 年にセダン型 FLUENCE Z.E.と 2 人乗り小型車 TWIZY、軽商用車 KANGOO Z.E.を発売し、 2012 年に EV モデルとして Renault で独自設計された ZOE Z.E.を発売した。ZOE は欧州を中心に 普及しており、2015 年までの EV 累積販売台数では世界 4 位である。
2013 年に FLUENCE Z.E.をベースとした SM3 Z.E.をサムスングループとの合弁である Renault Samsung Motors から発売した。この車種は、2015 年現在韓国で 1,767 台販売され、韓国で最も売 れている EV とされる。
Renault は 2016 年 9 月に、ZOE Z.E.のモデルチェンジを発表した。従来の ZOE は、容量 22 kWh の LIB を搭載し、NEDC モードでの EV 走行距離 240 km であったが、電池容量を 41 kWh に上げる ことで 400 km の走行を可能とした。採用した LIB は従来と同様に LG 化学製である。
また Renault は、EV/PHEV の車種が比較的少ないことから、EV/PHEV のラインアップを増やすこ とを検討している。具体的には、ジュネーブモーターショー(2016 年 3 月)で発表したコンセプト PHEV の Eolab をベースにした PHEV の生産や、アライアンスを組んでいる日産の HEV 技術を転用 したモデルの導入を検討している。販売が決まっている HEV としては Megane Diesel Hybrid があり、 2017 年に発売される予定である。
2011 年に日産が発表した中期計画「NissanPower88」において、Renalut・日産グループとして 2016 年までに 150 万台の EV を販売するとしていたが、その後の EV 販売の低調を理由に 4 年延期 し、2020 年までに 150 万台の EV を販売するという計画に修正した。

Renalut は、EGCI の LIB プロジェクト 5 件(AMELIEO、EUROLIION、MAT4BAT、ELIBAMA、 HELIOS)に参画する等、LIB 開発には積極的である。革新型蓄電池においてもリチウム硫黄電池プ ロジェクト(EUROLIS)にも参加している。このことは、Renault が EV に大きく舵を切っていることを伺 わせるが、具体的な自社技術開発の戦略や方針の発表は行われていない。

PSA

PSA は資金力、開発力に劣っているため、EV/PHEV では三菱自動車から OEM 供給(i-MiEV)を 受け、Peugeot iON と Citroen C-Zero を 2010 年から販売してきた。
しかし、2016 年 4 月の新中期経営計画「Push to Pass」では、2019 年に新型 EV と PHEV の発売 を発表する等、EV/PHEV への積極的取り組みを明確にしている。具体的には、2019 年以降に 6 モ デルの新型 PHEV を投入すると共に、4 モデルの新型 EV を 2021 年までにラインアップさせる。
4 モデルの EV は、中国東風汽車と共同開発した電動モジュールアーキテクチャーe-CMP をベー スに、電池容量 50 kWh で、EV 走行距離 400 km 以上を実現させる予定である。
PHEV についても、現行のディーゼルハイブリッド(Hybrid4)とは異なり、新設計のシステムを検討 する。

EV/PHEV 用蓄電池メーカの技術開発動向の概要

EV と PHEV の EV 走行距離の延長のため、限られた車両スペースで電池搭載量を増やすべく、
蓄電池メーカは電池や電池パックの更なる高エネルギー密度化を目指している。
AESC は、日産 LEAF 向けにラミネートセルを提供しているが、2016 年のモデルチェンジでは、LIB セルを高容量化することで、電池パックサイズは同じサイズを維持したまま、エネルギー密度を 79 Wh/kg から 92 Wh/kg に向上させた。2020 年頃にモデルチェンジする次世代 LEAF は EV 走行距 離 500 km を目指しており、現在容量 60 kWh の電池パックが開発されている。セルサイズは変更せ
ず、セルの高容量化と搭載セル数の増加を予定している。 パナソニックは米国ネバダ州のギガファクトリでの生産ラインを完成させ、2017 年初頭から定置用
に 21700 円筒形セルの生産を開始した。年末までには Model 3 用 21700 円筒形セルの生産を軌道 に乗せ、エネルギー密度を 236 Wh/kg から 260 Wh/kg に、容量を 3.18 Ah から 4.75 Ah に向上さ せる予定である。両社は 2014 年から 2017 年まで Tesla の Model S と Model X に用いられる 20 億 セルの供給契約を締結しており、2020 年までに EV 換算で 50 万台(セル換算で 35 GWh/年)の生 産能力を整える計画である。
LG 化学は、2015 年以降の車載用 LIB を第 2 世代と捉えている。現在、250 km 以上 400 km 以 下の EV 走行距離、ガソリン車以上の安全性、カレンダー寿命 10 年、総走行距離 24 万 km という耐 久性を兼ね備えた EV のために、エネルギー密度 500 Wh/L 以上、コスト 170 ドル/kWh 以下、1C 以上の急速充電が可能な LIB の開発を目指している。実際に LG 化学は、2017 年に販売を開始す る GM Chevrolet BOLT 用に、エネルギー密度が世界最高レベルの 241 Wh/kg、466 Wh/L で、か つ価格が 145 ドル/kWh のラミネートセルを供給することを公表した。今後、更にエネルギー密度の 向上と低コスト化を進め、2022 年に 100 ドル/kWh を目指すと発表している。DOE の EV 用電池の 2020 年コスト目標が 125 ドル/kWh であることを考えると、これはかなりコスト競争力があるといえる。 このような LG 化学の高エネルギー密度セルを低コストで供給する能力が評価され、2016 年で、国内 外の自動車メーカ 28 社(中国の小規模自動車メーカを含む)から 82 車種の電池を受注した。また 2021 年以降の第三世代電池では 400~600 km 以上の EV 走行距離を可能とするため、エネルギー 密度 750 Wh/L 以上、コスト 110 ドル/kWh 以下を目指すとしている。
サムスン SDI は HEV、PHEV 及び EV の用途ごとに容量の異なる LIB 角形セルの製品をラインナ ップしている。また、LIB 角形セルとモジュールのサイズを標準化するプラットフォーム戦略を採って おり、その標準化した角形セルとモジュールを BMW i3 に提供している。2017 年のモデルチェンジで は、セルの形状はそのままに 60 Ah から 94 Ah へ高容量化し、電池パックのエネルギー密度を 85 Wh/kg から 135 Wh/kg に向上させている。2025 年頃までは EV 走行距離 500 km 以下の EV 用とし て LIB の現行技術の改良で対応するが、2025 年以降は EV 走行距離 500 km 以上の EV 用として 先進 LIB や革新型蓄電池で対応するというロードマップを公表している。
BYD は自社の EV、PHEV 及び EV バスの事業拡大に伴い、LIB セルの生産拠点の新設及び既 存設備を増強することで生産を拡大している。中国政府から EV バス補助金対象の認証を受けるため、正極に LFP を用いた LIB セルを主力製品としているが、今後は EV/PHEV 用に NCM 正極材料 を用いた LIB セルの生産量を増やす計画である。
その他に、CATL 等豊富な資金による積極的な投資と開発力のある蓄電池メーカが台頭してきて いる。日本や韓国の蓄電池メーカと技術や品質レベルの差が縮まりつつあるため、今後、中国の蓄 電池メーカの動向には注視が必要である。
主要な車載用セルメーカの開発戦略を表 4-1 にまとめる。

LG 化学

LG 化学は、本来は化学メーカである強みを生かした開発力と高いコスト競争力により、世界の自 動車メーカに車載用 LIB を供給しており、顧客の拡大に成功している。現在、国内企業の現代自動 車以外に、GM、Ford、VW、Daimler、中国 第一汽車等の自動車メーカの EV/PHEV 向けにラミネ ート形セルを供給しており、世界シェアトップレベルの LIB セルメーカである(表 4-2~表 4-4)。
同社によると、世界の自動車メーカ 28 社から 82 車種を受注し、累計受注金額 36 兆ウォンを突破 したとのことである。特に 2016 年末から上市される第 2 世代(EV 走行距離 300km 以上)用 LIB 市場 で 30 兆ウォン(3 兆円)以上を受注したとしている。また車載用 LIB 事業の売上高を、2018 年に 3 兆 7,000 億ウォン(3,700 億円)に、2020 年までに世代 7 兆ウォン(7,000 億円)に引き上げることとして いる。このように LIB セルの大規模な受注が相次いでいるため、今後はセルの安定供給を強化する 方針である。
LG 化学は、韓国 梧倉、中国 南京、米国 ホランドに車載用 LIB の生産拠点を持ち、2015 年の 総生産能力は 10.8 GWh である(表 4-4)。しかし、中国政府が EV バスの補助金支給に制限を設け たことと、また中国政府から車載用電池模範規準認証を得られなかったため、中国市場での販売は 伸び悩んでいる。
その他、欧州の自動車メーカのニーズに迅速に応えるため、現在、ポーランド政府の積極的な支 援を受けて、ポーランド ヴロツワフに 4,000 億ウォン(400 億円)を投資して、セルから電池パックま での一貫生産が可能な電池生産工場を建設している。年間生産量が 3 GWh 規模の工場となる予定 である。
LG 化学は、韓国 大田と米国 トロイに R&D 拠点がある。更に LG 化学は、韓国プロジェクトの「緑 色産業先導型二次電池技術開発事業」、「中大型二次電池商用化技術開発事業」や海外のプロジ ェクトにも積極的に参加している。米国の拠点では DOE プロジェクトに参加、2014 年から 2 年間で 12 V スタート-ストップバッテリシステム用のセルも開発した。今後も DOE プロジェクトに積極的に参 加する予定である。

LG 化学は車載用 LIB セル製品として、用途ごとに容量を変更したラミネート形セルを生産してい る(表 4-5)。なお一部、Tesla ROADSTER と Daechang Motors の小型 EV 向けに円筒形 LIB を生 産している。
セル構成は、正極及び負極をコーティングした電極を蛇腹折りで積層するスタックホールディング 構造を採用している。この構造は、電極塗布部分のデッドスペースを減少させ、且つ旋回で生じる歪 みをなくせるため、長期サイクル後に優位であるとしている。開発の方向性は、1高性能材料を採用 することによる電極の薄膜化・軽量化、2電池の構成をシンプルにすることによる低コスト化、3デザ インの流動性を高めることによる高機能化等、セルの全体設計で高性能化を目指している。

 

現在、EV(ZOE と Chevrolet BOLT)に採用されている車載用 LIB では、正極に NCM622、負極に 黒鉛系を採用されており、そのエネルギー密度は 241 Wh/kg と 466 Wh/L である。2022 年頃には更 なる高容量化・高電圧化のため、正極には NCM622 または NCM811、負極にはシリコン系-黒鉛材 料が採用されると言われている。その他に、正極材料及び負極材料の塗工量の増加、バインダ・助 剤の減少、セパレータの薄膜化等セルの全体設計により、セルの高エネルギー密度化を進めていく としている。
世界規模の熾烈な価格競争の中、LG 化学は低価格な LIB セルを供給することに注力している (表 4-6)。2015 年頃から販売している第 2 世代セル(Gen 2)では 170 ドル/kWh としているが、2017 年型 BOLT では、駆動モータ、インバータ及び計器類等の様々な部品との一括購入という条件付き であるものの、145 ドル/kWh で GM へ提供している。今後、段階的に価格を下げ、2022 年に 100 ド ル/kWh を目指すとしている。

サムスン SDI


サムスン SDI の電池事業の中心は IT 機器向け小型 LIB 事業であるが、将来の中核事業は車載 用電池と捉えており、2015 年から 5 年をかけて、3 兆ウォン(3,000 億円)を投資する。現在、サムスン SDI は世界トップクラスの LIB セルメーカであり、BMW、VW、Audi、Porsche、Ferrari、Fiat 等の世界 有数の自動車メーカを主要顧客に確保している(表 4-8)。

サムスン SDI は、韓国 蔚山、中国 西安に車載用 LIB の生産拠点を持ち、蔚山工場を核として、 4.4 GWh の総生産能力を有している(表 4-9)。
西安工場は中国市場の需要状況にあわせて拡大する方針で、予定では 2020 年までに 6 億ドル を段階的に投資して生産ラインを追加増設し、売上高 10 億ドルの達成を目標としていた。しかし、現 状では西安工場が車載用電池模範基準認証を得られておらず、また中国政府が EV バスの補助金 支給に制限を設けたため、中国市場でのシェア拡大に難航している。
その他に、2015 年にオーストリアの自動車部品メーカの Magna Ster の子会社を買収し、オースト リア グラーツで車載用電池パック工場の稼働を開始している。また今後の欧州市場の成長を見据え て、欧州の自動車メーカとの協業体制を強化し、安定にセルを供給するために、現在ハンガリーに 4,000 億ウォン(400 億円)を投資して生産工場を建設しており、2018 年以降の稼働を目指している。


サムスン SDI は現在、車載用 LIB セル製品として、角形セルを中心に、HEV 用に 5.9 Ah、PHEV 用に26Ahまたは37Ah、EV用に60Ahまたは94Ahと、用途ごとにラインナップしている(表 4-10)。

サムスン SDI では、LIB 角形セルとモジュールのサイズを標準化するプラットフォーム戦略を採っ ている。サムスン SDI でセルおよびモジュールの形状を標準化しているため、顧客は仕様に合わせ て電池のパッケージ化が可能である。形状が標準化されているため、サムスン SDI がセル製品を高 容量化しても、顧客の自動車メーカは大きなデザイン変更不要で電池パックのアップグレードが可能 となるため、顧客メリットが大きいとしている。実際に BMW i3 では、2013 年発売の初期モデルからサ ムスン SDI の LIB セルのモジュールを採用している。2017 年のモデルチェンジのときには電池パッ ク設計を変更せずにセルのエネルギー密度を向上することで電池パックの高容量化とエネルギー密 度の増加に成功している。
現在、BMW i3 に採用されている車載用 LIB では、正極材料に LMO-NCA-NCM622、負極材料 には黒鉛を採用している(表 4-11)。94 Ah セルのエネルギー密度は 189 Wh/kg と 357 Wh/L であ る。
2022 年頃には更なる高容量化のため、正極材料は変更せずに、負極材料としてシリコン系-黒鉛 材料を採用すると言われている。その他に正極及び負極の塗工量の増加、バインダと導電助剤比率 の減少、セパレータの薄膜化等セルの全体設計の最適化により、高エネルギー密度化を進めていく とされ、500 km 走行可能な EV 用を想定し、従来のサイズを維持しつつ容量のみ増加させた 125 Ah 角形セルの販売を予定している。なお、角形セル以外に、一部 Audi R8 e-tron 向けに円筒形セルを 供給している。
サムスン SDI は将来に向けて、主要電極材料である正極材料、負極材料、電解液及びセパレータ の改良を進めている。正極材料では、高エネルギー密度化、高出力化及び長寿命化を目的に、 NCM111 からニッケル含有量を増加させていき、最終的に NCA の組成を目指している。加えて、マ グネシウムのドーピングによる構造安定化、表面被覆による界面安定化、一次粒子の微細化等によ る粒子設計の高度化を行っている。負極材料では、高エネルギー密度化、高出力化及び長寿命化 を目的に、黒鉛からシリコン含有カーボン材料に組成を変更することを目指しており、シリコンとカーボンのナノコンポジット化を行っている。電解液では、耐高電圧化、高出力化、長寿命化及び安全性 の向上を目的に、SEI 形成を阻害しない添加剤と低粘度高イオン伝導性の溶媒の採用、有機/無機 ハイブリッド SEI の形成による電解液の安定化を狙った加硫を行っている。セパレータでは、安全性 の向上を目的に、濡れ性と耐熱性の向上、多層コート、多機能化により、LIB セルの高度化を進める としている。

BYD

BYD は新興の自動車メーカであるため、内燃機関自動車についてはグローバル企業との技術差 が大きい。そのため、これまで正極材料に LFP を用いた自社製 LIB を用いて、EV/PHEV 等のエコ カー事業に特化した技術開発に注力してきた。
EV/PHEV の普及を積極的に推進する中国政府の支援を後押しに、同社の EV/PHEV の販売は 急増している。2015 年時点では EV 2 車種と PHEV 2 車種のラインアップだったが、2016 年には新 規モデルを加え、EV 7 車種と PHEV 4 車種にラインアップを拡充している(表 4-15)。
車載用 LIB は全て角形で、セル、モジュール、パックまで全て内製している。中国国内に 2 ヵ所の 製造拠点があり(表 4-16)、2016 年時点で 10 GWh の生産能力を有する。拡大する需要に対応す べく、既存設備の生産能力を強化して 2017 年には 12 GWh とする他、更に 10 GWh の生産能力を 有する新工場を建設中である。BYD では、2020 年までに 30 GWh の生産能力を備えることを目標と している。

BYD は、EV/PHEV 向けと電動バス向けに LFP セルを採用している他、一部の EV/PHEV 向けに は NCM セルも採用している。現状は LFP セルが主力ではあるが、今後は NCM セルの比率を高め、 比率は半分にしていく考えである。
負極材料は現状では黒鉛系が主力であるが、更なる高容量化に向けて、シリコン系セルの研究開 発も行っている。まずは民生用小型セルに導入し、技術が成熟して安全性が確保できてから車載用 電池に転用する考えである。
現在、採用されている車載用 LIB では、エネルギー密度は LFP セルでは 134 Wh/kg、NCM セル では 170 Wh/kg である。
BYD では、LIB セルのエネルギー密度についてロードマップを設けており、2016 年は 190 Wh/kg、 2018 年は 280 Wh/kg、2020 年は 300 Wh/kg としている。

寧徳時代新能源科技術(Contemporary Amperex Technology: CATL)

CATL は、2011 年にモバイル用 LIB 蓄電池メーカの新能源科技術有限公司(ATL)からスピンア ウトした企業で、車載用や定置用の LIB 角形セル、モジュール及び電池パックを供給するメーカであ る。
年々、増加する車載用 LIB の需要に対応するべく、積極的な投資による増産を行い、かつ高いコ スト競争力により、中国国内では BYD に次ぐ生産量となっている。現在、数多くある中国の蓄電池メ ーカのうち、特に急成長している蓄電池メーカである。
CATL では中国国内向けに車載用の角形 LIB セルの製品を提供している。バス用途を含むと 2016 年の生産量は前年比 3 倍に相当する 7.5 GWh で、その売上額は 150 億元を見込む等、規模 では世界トップクラスである。中国国内企業の北京汽車、上海汽車や BMW と中国自動車メーカの合 弁会社である華晨宝馬汽車等に、EV/PHEV 用と EV バス用の製品を供給している。(表 4-17)
CATL では、中国・寧徳と青海に生産拠点を持ち、2016 年 7 月時点で 7.5 GWh の生産能力があ るが、2016 年末には、その生産能力を 12 GWh に引き上げる計画である。中国政府による政策の後 押しにより、同社の需要も拡大しているため、寧徳工場と青海工場の生産能力を継続的に増強して いるがそれでも補い切れず、国内に新たな工場を建設している。2020 年までには 300 億元を投資し て、合計生産能力を 50 GWh まで引き上げる方針を打ち出しており、Tesla のギガファクトリ(35 GWh) を超える生産能力を有することとなる(表 4-18)。
また同社は、欧州の自動車メーカへの営業活動に注力しており、海外進出を狙っている。

車載用 LIB セル製品として、正極に三元系を用いた LIB セルを開発しており、EV/PHEV の用途
ごとに 6、26.5、29、37、42、58 Ah の角形セルをラインナップしている(表 4-19)。その他、EV バスや トラック用に正極に LFP を用いた大容量角形セル(50、72、80、86、120、200 Ah 等)がある。
現在、車載用 LIB では、正極に LFP または NCM、負極には黒鉛系が採用されており、そのエネ ルギー密度は LFP セルでは 133 Wh/kg または 270 Wh/L で、NCM セルでは 178 Wh/kg または 403 Wh/L である。自動車用は NCM セルを、EV バス用に LFP セルを採用している。

パナソニック

パナソニックは 2013 年 4 月、パナソニック、及び三洋電機の電池応用製品等の開発、製造、販売 を担当していた旧エナジー社を「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社」に統合した。
パナソニックは Tesla と、2014 年から 2017 年の間、Tesla Model S と Model X 用に 20 億セルの供 給契約を締結しており、2017 年末頃の発売される Mode1 3 向けにも LIB を供給する予定である。
パナソニックは、主要顧客である Tesla の他にも、Volkswagen や Daimler、Ford Motor、トヨ夕自動 車向けに LIB を供給している。また、従来はブルーエナジーから調達していた本田技研工業も新規 顧客として確保し、2 車種の HEV 向けに LIB の供給を開始した。同様に、これまで AESC から電池 パックを調達してきた日産にも、NOTE e-power 向けに LIB の供給を開始した。
今後、Tesla の Model 3 への供給が本格的に始まり、また Tesla 以外の供給先も確保していること を考えると、同社の車載用 LIB 出荷は急増することが予想される(表 4-29)。
パナソニックは、2018 年度には、車載用と蓄電用 LIB を含めた電池事業の売上高 5,000 億円 (2015 年度比 2.5 倍)を目指すと発表しており、そのうち 8 割を車載用が占めるとみられる。
生産拠点については、住之江工場で Tesla 向け円筒形電池、加西工場で車載用角形 LIB を生産 しており、海外では、Tesla と連携して米国のネバダ州に建設しているギガファクトリが完工すると、 2020年までにEV換算で50万台(セルベース35GWh)の生産能力を整える計画である(表 4-30)。
その他、2016 年 2 月に中国の大連に 500 億円規模を投資して、EV 換算で 20 万台分の生産能 力を持つ車載用電池工場を建設すると発表している。同工場では角形セルを生産する予定で、 2017 年から同工場の稼動開始を目指しており、年間 1,000 億円規模の売上高を期待している。

パナソニックは、車載用電池として円筒形と角形の 2 種類を製造している。円筒形セルには、正極 材料に高容量化に優れる NCA を採用しているのが特徴であり、負極材料には黒鉛系を、セパレー タには耐熱性に優れるアラミドコーティングセパレーターを用いているとみられる。一方、角形セルに は NCA の他、NCM も使用されていて、HEV、PHEV、EV 毎に使い分けている(表 4-31)。
18650 円筒形セルは、一般的にはノート PC 等に主に使われているが、Tesla はこれを車載用に採 用し、数千個組み合わせて電池パック化したものが Model S と Model X に搭載されている。例えば、 85 kWh の電池パックには 7104 個の 18650 セルが使われている。Tesla の EV に用いる 18650 セル は車載用に開発したもので、パナソニックは容量 3,400 mAh、電圧 3.6 V のセルを Tesla に供給し、 Tesla が 70 kWh と 90 kWh の電池パックに仕上げている。
パナソニックは、2017 年末に発売する予定の Model 3 向けに、容量を従来比 170%に向上させた 新形状の円筒形 21700 セルを開発した。LIB セルの 1 個当たりの容量を高めたことで、電池パックの LIB セル搭載本数の削減とコストダウンを図るとしている。また他社よりも先行して、車載用 LIB セル 用に、黒鉛にシリコン系材料を添加した負極材料を採用する予定である。

 

パナソニックは、NEDO が 2012~2016 年にかけて行っている「リチウムイオン電池応用・実用化先 端技術開発事業」に参画している。開発テーマ「PHEV 用高電圧充電用リチウムイオン電池の研究 開発」にて、PHEV 用に質量エネルギー密度 200 Wh/kg、質量出力密度 2,500 W/kg 及びコスト目 標 2 万円/kWh を目指している。