強まる「テスラ頼み」 パナ、電池事業を下方修正

パナソニックが31日に発表した2018年4~9月期の連結決算(国際会計基準)は、テスラ向けのリチウムイオン電池事業の赤字幅が拡大し、全体の営業利益が前年同期比微減となった。中国向け産業用モーターなど前期までの安定事業も収益が悪化。成長事業と位置付ける電池事業の重要性は高まるが、当初進めていたテスラ以外の収益拡大は進んでおらず、逆に「テスラ頼み」の構図が強まっている。

自動車向けリチウムイオン電池が大半を占めるエナジー事業の4~9月期の営業損益は157億円の赤字と、前年同期に比べ赤字幅が136億円拡大した。同事業の通期の営業利益見通しも、期初予想から70億円減の221億円に下方修正した(前期は111億円)。売上高は前期比40%増の7880億円と上方修正したものの、利益は当初予想を大きく下回る見通しだ。

エナジー事業の収益悪化の要因について、津賀一宏社長は「テスラ向けの電池に使う一部材料に中国産を採用しており、関税の影響を受けた」と米中貿易摩擦が逆風になったと明らかにした。テスラ向けの生産の急速な立ち上げによる追加費用の発生や生産ロスも響いた。

電池事業における最大のパートナー、テスラの18年7~9月期決算は8四半期ぶりに黒字転換した。新型セダン「モデル3」の量産が進み、テスラの利益率は大きく改善した。津賀社長は「テスラの車両生産は増えてきており、電池生産との歩調も合ってきた」と先行きについて好感触を強調した。

電池事業では「テスラ一本足」からの脱却へ向け、トヨタとの協業も進める。ただ、現時点では「トヨタとはいろんな議論を重ねており、順調に進んでいる」(津賀社長)との表現にとどまり、内容の具体化まではこぎ着けていないようだ。

上期の営業利益は微減になったが、通期の営業利益は前期比12%増の4250億円と従来予想を据え置いた。下期は計画以上の利益が必要で、成長分野であるテスラ事業の割合が高まるが、上期には利益未達という成長痛も味わった。米中貿易戦争の終わりが見えないなど利益が減った外部要因は変わっていない。通期の業績達成に向けて、より慎重なリスク管理が求められる。

2018年10月22日