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日産など設立のVC、電池開発スタートアップ「ENEVATE」に出資

仏ルノー、日産自動車、三菱自動車が設立したベンチャーキャピタル(VC)は14日、次世代バッテリーを開発するスタートアップの米エネベート(カリフォルニア州)に投資すると発表した。リチウムイオン電池に関する先端技術を得る狙いがある。

エネベートは電気自動車(EV)を約5分で急速充電できる新技術の開発を進めている。VCの投資額は公表していない。同社には電極関連などの技術があり、EVの充電時間をガソリン車の給油と同程度まで縮めることが目標。シリコンを主体とした電池の開発で先行し、自動車大手などへのライセンス供与を目指す。

現状ではEVの充電には30分以上かかり、普及への壁となっている。VCは全固体電池向け素材のスタートアップ、米アイオニック・マテリアルズにも出資した。新技術の知見を広く集め、電池の未来像を見極める構えだ。

VCは今後5年で最大10億ドル(約1100億円)を有望なスタートアップに投資する計画。

 

ENEVATEのHP:http://www.enevate.com

2018年11月18日

EVに載ったトヨタの全固体電池、開発に8年、走行試験に成功

トヨタ自動車は、電解質が固体のLiイオン2次電池である「全固体電池」を8年前から開発し、最近になって当初の目標値を達成。同社の1人乗り電気自動車(EV)「COMS」に実装して、走行試験に成功した。

 同社元理事で燃料電池車や全固体電池の開発を手掛け、現在は技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センター(LIBTEC)の常務理事を務める石黒恭生氏が2018年10月の講演会で、開発の経緯と共に明らかにした。

当初は充放電数回で出力0に

 石黒氏によると、開発開始当初、試作した全固体電池は充放電1サイクル目まではセルの体積エネルギー密度が100Wh/L超だったが、充放電を数サイクル繰り返すと体積エネルギー密度は数分の1、出力密度は0近くまで低下するなど前途多難だったとする。

つづきはこちら:https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/mag/ne/18/00001/00048/

2018年11月18日

リチウム電池用電極材の発熱、大阪府立大など要因解明

大阪府立大学大学院工学研究科の塚崎裕文特認助教や森茂生教授らと群馬大学大学院理工学府の森本英行准教授らは、電解液系リチウムイオン電池用の電極材料について発熱の要因を解明した。正極材料となる複合体の発熱には電解質の分解反応が関わると明らかにし、酸素と有機溶媒の化学反応も影響する可能

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00493972

2018年10月31日

強まる「テスラ頼み」 パナ、電池事業を下方修正

パナソニックが31日に発表した2018年4~9月期の連結決算(国際会計基準)は、テスラ向けのリチウムイオン電池事業の赤字幅が拡大し、全体の営業利益が前年同期比微減となった。中国向け産業用モーターなど前期までの安定事業も収益が悪化。成長事業と位置付ける電池事業の重要性は高まるが、当初進めていたテスラ以外の収益拡大は進んでおらず、逆に「テスラ頼み」の構図が強まっている。

自動車向けリチウムイオン電池が大半を占めるエナジー事業の4~9月期の営業損益は157億円の赤字と、前年同期に比べ赤字幅が136億円拡大した。同事業の通期の営業利益見通しも、期初予想から70億円減の221億円に下方修正した(前期は111億円)。売上高は前期比40%増の7880億円と上方修正したものの、利益は当初予想を大きく下回る見通しだ。

エナジー事業の収益悪化の要因について、津賀一宏社長は「テスラ向けの電池に使う一部材料に中国産を採用しており、関税の影響を受けた」と米中貿易摩擦が逆風になったと明らかにした。テスラ向けの生産の急速な立ち上げによる追加費用の発生や生産ロスも響いた。

電池事業における最大のパートナー、テスラの18年7~9月期決算は8四半期ぶりに黒字転換した。新型セダン「モデル3」の量産が進み、テスラの利益率は大きく改善した。津賀社長は「テスラの車両生産は増えてきており、電池生産との歩調も合ってきた」と先行きについて好感触を強調した。

電池事業では「テスラ一本足」からの脱却へ向け、トヨタとの協業も進める。ただ、現時点では「トヨタとはいろんな議論を重ねており、順調に進んでいる」(津賀社長)との表現にとどまり、内容の具体化まではこぎ着けていないようだ。

上期の営業利益は微減になったが、通期の営業利益は前期比12%増の4250億円と従来予想を据え置いた。下期は計画以上の利益が必要で、成長分野であるテスラ事業の割合が高まるが、上期には利益未達という成長痛も味わった。米中貿易戦争の終わりが見えないなど利益が減った外部要因は変わっていない。通期の業績達成に向けて、より慎重なリスク管理が求められる。

2018年10月22日

次世代リチウム電池を20年にも量産 三洋化成、ビル・風力発電向け

中堅化学メーカーの三洋化成工業は2020年をメドにリチウムイオン電池の量産を始める。材料に金属に代えて樹脂を活用。強い衝撃が加わっても発火・爆発しない安全性を実現し、電気容量は他社製品の2倍以上にできるとしている。まずはビルや風力発電の大型蓄電池向けに展開。日産自動車と特許を共同で出願するなど車載向けも検討していくもようだ。

現行のリチウムイオン電池は銅やアルミの金属箔を電極に使い、その表面にイオンの受け渡し役である「活物質」を塗る仕組み。衝撃などで金属箔に大量の電流が流れると爆発の恐れがあるうえ、電気容量を左右する活物質を塗るスペースも限られる。

一方、次世代型とされる「全樹脂型」の電池は、活物質をゲル状の電解質で包み、樹脂の基材で挟み込む構造だ。金属を使わない分、仮にくぎを打ち込んでも発火しないなど安全性に優れ、活物質も大幅な増量が可能になった。同じ大きさの電池で電気容量は現行の2倍以上になるという。

 

三洋化成工業はおむつの高吸水性樹脂(SAP)や車向け潤滑油添加剤などを手がける化学メーカー。活物質を電解質で包み込む部分に、水分を吸収・保持する技術などを応用した。樹脂の柔軟性も生かして形状を自在に変えられるため、例えばビルなどの非常用蓄電池も与えられたスペースに応じて作ることができる。

製造工程を簡素化できるほか、同社と共同で研究を進めた慶応義塾大学政策・メディア研究科の堀江英明特任教授は「製造コストも1割ほど安くなる可能性がある」と話す。

20年ごろをメドに、まずは大型のリチウムイオン電池の製造を開始。ビル向け蓄電池を大手ゼネコンなどと共同開発する。再生可能エネルギーの拡大には高容量の蓄電池の普及が鍵を握っており、重電メーカーと協力して風力発電向け蓄電池などでも展開を図る。

三洋化成工業は自動車メーカーとの共同特許も出願している。同社は公表していないが、日産自動車と数十件以上の特許を共同で出願しており、車載向けリチウムイオン電池の展開も検討しているとみられる。

同社はSAPの事業環境の変化や原油価格の変動などの影響を緩和するため、桂研究所(京都市西京区)や衣浦工場(愛知県半田市)で新型リチウムイオン電池の研究開発を本格化している。同社の安藤孝夫社長は同事業が軌道に乗れば「もう一つ三洋化成ができるほどの事業だ。他社とアライアンスを組んで共同で進めたい」と話す。

今後10年間で電池関連の投資額は約100億円になる見込み。新型電池や車載用電子材料の開発に注力し、28年3月期までに連結売上高を18年3月期比54%増の2500億円まで引き上げたい考えだ。

2018年10月22日

EVのボディ全体をバッテリー化?カーボンファイバーを電池化する研究成果が発表

スウェーデン・チャルマース工科大学が、カーボンファイバーを単なる高強度な素材としてだけでなく、バッテリー電極にも活用可能だとする研究内容を発表しました。この研究では、たとえば電気自動車や航空機のボディにカーボンファイバーを用いつつ、バッテリーとしても使う可能性が示されています。
電気自動車の航続距離を延ばすには大容量のバッテリーが必要ですが、その搭載スペースには制限があり、また重量も問題となります。しかし大学のLeif Asp教授は「車体は単なる構造体としてだけでなく、バッテリーとしても機能するようになるだろう」と語ります。

自動車のボディに使うカーボン素材をバッテリーにするためには、炭素繊維の大きさや構造を最適化し、エネルギー貯蔵に必要な電気化学特性と剛性との間のバランスを改善する必要があります。
研究者は、市販されるさまざまな炭素繊維の微細構造を研究しました。そして結晶が小さく配向が整っていないカーボンファイバー素材ほど剛性は低くなるものの、良好な電気的性質を有することを発見しました。

Asp教授は「剛性のわずかな低下は、自動車などの多くのアプリケーションでは問題になりません。現在出回っているのは航空機での使用にあわせて作られた、非常に高剛性かつ高価な炭素繊維複合材がほとんどでであるため、炭素繊維メーカーは素材の用途を拡大できる可能性がある」と説明します。さらにカーボンファイバーを、運動エネルギーを検知するセンサーや、ケーブルの代わりの導体としても利用することで、自動車の重量を最大50%も削減できるとAsp教授は語っています。

ただ、カーボンファイバー素材は非常に高価だという欠点があります。レーシングカーや先端技術分野ではよく使われている印象ではあるものの、それらはコストよりも機能・性能を優先しているものばかりです。

今回の研究成果が実際にEVなどで実用に至るには、まずはカーボンファイバー素材の大幅なコストダウンが必要でしょう。バッテリー容量を増やすためにカーボンファイバー使用箇所を必要最小限にすれば...とも考えたくなるものの、それだったら普通に自動車のバッテリー搭載スペースをやりくりするほうが簡単かもしれません。

https://japanese.engadget.com/2018/10/22/ev/

2018年10月22日

基板に実装できる全固体電池、IoTデバイスの電源として期待大

 TDKは、「CEATEC JAPAN 2018」(2018年10月16~19日、幕張メッセ)で、基板に実装できる全固体電池「CeraCharge(セラチャージ)」を展示した。国内初披露となる。

 2017年11月に発表された同製品は、「世界初」(同社調べ)のSMDタイプ全セラミック固体電池で、IoT(モノのインターネット)やRTC(リアルタイムクロック)デバイスの電源、環境発電(エネルギーハーベスティング)用途での利用を見込んでいる。

 

同製品は、小型なEIA 1812パッケージ(4.5×3.2×1.1mm)を実現し、「電子部品のように、はんだリフローで表面実装できる」(同社担当者)ことが特徴。定格電圧は1.6V、容量は100μAhとなる。電池交換などのメンテナンスコストが発生するボタン電池を代替できる2次電池として活用できるとし、充放電サイクルは1000回程度だ。

 同製品の開発では、MLCC(積層セラミックコンデンサー)などの製造により培ってきた積層技術が役立てられた。「車載用途で開発中の全固体電池とは全く異なる材料によりできている」といい、電解質や内部電極は焼成可能なリチウムベースの酸化物系セラミックを採用する。集電体には銅を用いており、「銅の加工技術を得意とする欧州の開発グループが実用化に大きく貢献した」とする。

現在、同製品は月産3万個でサンプル出荷中。量産開始に向けて、「サイズや容量の面で改善を続けている」という。

 また、同社ブースでは、太陽電池とCeraCharge、リコー電子デバイス製の低消費電流昇降圧DC-DCコンバーター「RP604」から成る電池モジュールにセンサーを組み合わせた、センシングと電池の充放電を同時に実行する環境発電のデモを展示。このデモで用いられた電源モジュールも製品化を予定しており、現在は有償でのサンプル出荷中。2019年度以降の量産化を目指すとし、「年間数十万個程度の販売を目指す」としている。

http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1810/16/news042.html

2018年10月16日

中国・リチウムイオン電池メーカー、淘汰加速へ

中国民族系大手自動メーカーの吉利汽車が9月、約1300億円を投じEV向けリチウムイオン電池(LIB)工場を建設することを発表。中国LIB業界に一石を投じた。中国政府の新エネルギー車(NEV)シフトによりLIB需要が増加。中国は世界LIB製造工場としての地位確立に向け突き進む。一方、過剰なLIB生産能力、NEV補助金の減額、素材価格の上昇などを受け、地場LIBメーカーは厳しい経営環境に直面する。中国LIB業界にはすでに、再編の荒波が押し寄せてきている。

中国政府は、NEV消費を喚起するための補助金制度や、企業のNEV生産が義務付けられるクレジット制度など、一連の政策を実施。NEV市場の育成を推進してきた。中国のNEV販売台数は2014年の7.5万台から17年の77.7万台へと急速に伸びており、25年には700万台に達する見込みだ。

 これを受けて地場LIBメーカーが一斉に増産に踏み切ったため、中国のLIB出荷量は17年に36ギガワットに達し、3年連続で世界首位となった。国内のLIB需要は地場メーカーを世界水準に押し上げ、寧徳時代新能源科技(CATL)、BYDなどの民族系メーカー7社が17年の世界LIB出荷量のトップ10にランクインした。

中国は世界最大の貴金属精製能力を備えているうえ、LIBの主要4部材(正極材、負極材、電解液、セパレータ)の国産化率が90%を突破。LIB産業のサプライチェーンが形成され、低コストで部品・部材の調達ができるようになった。

 その一方で、中国は外資系LIBメーカーの市場参入を排除する政策を実施してきた。NEVの補助金の支給は中国政府の認定した地場メーカーのLIBの搭載が条件とみられる。LIB量産に伴う多額の投資、原材料確保、及び価格競争などのリスクが日米欧の企業にとって足かせとなるなか、地場メーカーはLIB生産の能力強化に取り組んできた。

中国のLIB生産能力は17年に110ギガワットを超え、生産能力はすでに過剰気味。にもかかわらず地場メーカーは、NEV市場の需要を見据えて現在も、LIB向けの先行投資を競い合っている。主要メーカー8社の投資計画をまとめると、20年のLIB生産能力は245ギガワットに達し、市場需要の2.7倍に膨らむと予想されている。

 一方、容量・エネルギー密度の高いハイニッケル三元系(NCM811)、ニッケル酸リチウム(NCA)のLIB生産は日韓メーカーと比べて少ない。このため、地場LIBメーカーは依然、両国メーカーにキャッチアップする必要がある。また、LIBメーカー各社が、基礎化学物質である炭酸リチウムや主要材料であるコバルトやニッケルを確保しようと走り、材料価格の上昇を招いている。

 こうしたLIB産業をめぐる状況のなか、中国政府は3つの施策で再編に取り組もうとしている。1つはLIBへの参入基準の引き上げである。17年3月の「動力電池産業発展促進行動方案」、5月の「自動車産業投資管理規定(意見募集)」で具体的な基準が示された。

2つめが、容量・エネルギー密度の高いLIBへのシフトを促すこと。例えば、中国政府の補助金基準を見ると、年内に航続距離150km以下のEVへの補助金支給を中止。300km以下のEVには前年比最大58%減額する。補助金支給の厳格化により、販売したNEV(個人購入を除く)の実走行2万kmが支給条件となるため、地場メーカーの淘汰が進むものと予測される。

 3つめが外資系規制緩和だ。地場LIBメーカーの成長には、外資系メーカーの参入を排除する中国政府の保護政策「ホワイトリスト」(工業情報省が地場メーカー57社を認定)の存在がある。しかし、5月末、中国自動車工業協会が発表したEV電池メーカーについての別の「ホワイトリスト」の場合、選ばれた21社に韓国系メーカー3社が含まれた。このため、業界の風向きは変わりつつあるとする見方が広がった。日韓LIBメーカーが中国でLIB販売を伸ばしてゆけば、地場LIBメーカーに危機感が広がり、業界再編は加速するものとみられる。

1~6月の中国LIB市場シェアを見ると、CATLとBYDの合算シェアは63%に上がり、業界の寡占化が進んでいる。CATLは12年の独BMWとの協議を契機として、技術力とブランド力を向上させ、18年には独ダイムラーとVWへのLIBの供給が決定。CATLは欧米系メーカーより厳しい採用基準をもつ日系の広汽トヨタ、広汽三菱へのLIB供給も果たした。

 ただし、NEV補助金の事後取得を理由に、LIBメーカーの売掛金回収期間が引き延ばされる傾向にある。一部のLIBメーカーは研究開発の投入や生産能力を強化することができず、経営困難に陥っている。実際、業界3位の沃特瑪や中堅LIBメーカーの広東猛獅科技が今年1~6月期にそれぞれ318億円、49億円の赤字に転落した。

外資系電池メーカーの参入障壁だった「ホワイトリスト」は、NEV補助金政策の中止に伴い21年に撤廃される。韓国系メーカーは、生産体制の整備を急ぐ。LG化学は地場大手素材メーカーの華友コバルトとLIB正極材の合弁生産を計画。南京で年間EV50万台分に対応する新工場を建設する。SKイノベーションは20年に常州セル工場の稼動を目指す。日本のパナソニックは3月、大連工場から出荷を開始。上海進出を表明したテスラへの電池供給を勘案すれば、生産能力増強も見込まれる。

 こうしたことから中国EV電池市場における競争は21年以降、激しさを増し、地場電池メーカーの淘汰は加速することが予想される。中国のLIBメーカー数が16年の約150社から現在は約60社に減少、5年後には生き残る先は20社程度であろう。

 CATLの曽毓群会長が「台風(保護政策)で舞い上がる豚(技術力の弱い企業)が本当に飛べるか」を題目とするメールを社内に配信。差し迫る危機と技術向上の必要性を強調した。いかに高品質の電池を低コストで生産する体制を構築できるか。中国LIBメーカーの実力が試されている。

https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226265/100400297/?P=2&mds

2018年10月16日

東芝インフラシステムズ、リチウムイオン電池の新工場

東芝は16日、社会インフラ事業を手掛ける子会社の東芝インフラシステムズ(川崎市)がリチウムイオン電池の新工場を横浜事業所内に建設すると発表した。投資金額は、建屋と設備を含めて162億円。生産規模は明らかにしていない。平成31年7月に着工し、32年10月の稼働を予定している。
 同社のリチウムイオン電池の生産は、電気自動車(EV)や鉄道車両、電力用途向けで、これまで柏崎工場(新潟県柏崎市)で生産していた。同社製のリチウムイオン電池は、充電時間が短く、寿命が長いとされるうえ、電池の負極に炭素を使っておらず、発火しにくいことも特徴となっている。

今年8月には、同社のリチウムイオン電池を使った蓄電池システムが欧州の鉄道車両向け安全規格の認証を取得した。リチウムイオン電池を活用したシステムとしては初の取得事例で、同社は鉄道向け蓄電池事業を強化していく方針を示していた。
 今後、東芝の社会インフラ事業の柱のひとつに据えるとみられ、11月にも公表予定の5年間の中期経営計画にも強化策を盛り込む可能性が高い。

2018年10月16日

パナ、テスラ向け生産加速 「モデル3」軌道 電池ライン前倒し

米国の電気自動車(EV)大手テスラに電池を供給するパナソニックはテスラの自動車生産が軌道に乗ってきたことを受け、米国の工場での電池セル生産のペースを加速させる。

 パナソニックで車載用電池を含む自動車関連事業を統括する伊藤好生副社長はインタビューで、ネバダ州の電池工場で今後3ラインを新設し、年末までに13ライン体制を整備するとしていた従来計画について「前倒しをしていっている」と述べた。具体的にどれぐらい早めるかについては明らかにしなかった。

テスラはいわゆる「生産地獄」から立ち直って順調な生産を続けており、パナソニックに対して電池の生産を急ぐよう求めていることを明らかにした。伊藤氏は現状では「ボトルネックになっているのはうちの電池」だとして、生産体制の増強を急ぐ考えを明らかにした。

 テスラは従来の同社EVより価格が安い「モデル3」にパナソニック製の円筒形リチウムイオン電池を採用し、昨年7月に発売。事前予約だけで少なくとも30万台を上回る受注があるなど需要も旺盛で電池も含めて量産を進める計画だった。しかし、テスラ側の生産をめぐる問題から計画は大幅に遅れた。今年1~3月期の生産台数は1万台に届かず、自ら工場に泊まり込んで対応するなどマスク最高経営責任者(CEO)自身が「地獄」と呼ぶ状況が続いた。

 マスク氏は4~6月期の最終週に週5000台の生産目標に達したことを明らかにした。これに対応してパナソニックは今年末までに年間35ギガワット時の生産能力を確保するべく、ネバダ州の電池工場「ギガファクトリー」で生産増強に取り組む考えを示していた。

伊藤副社長は、ギガファクトリーでは1本のラインで数十台の設備が別々に作業する工程もあるなど独特の方式もあって生産の急激な立ち上げは「簡単ではない」との認識を示したが、テスラ側の問題が解消された今、生産の安定化へ全力を尽くしたいとした。

マスク氏をめぐっては、テスラの非上場化を検討し、必要な資金は確保されたとする今年8月のツイッターの投稿に関して米司法省が捜査に乗り出したことを事情に詳しい関係者が明らかにしている。今月には出演したテレビ番組でマリフアナ(収録されたカリフォルニア州では合法)を吸うなど、経営者としての資質を問われる言動が物議を醸している。

 伊藤氏はマスク氏のこうした言動について、「必ずしも好ましいことではない」とする一方で、テスラ側とは毎日のようにコミュニケーションを取って財務状況も確認しており、両社の協業に関して「何らかの大きな懸念事項があるというふうには認識していない」と述べた。

 昨年、車載用角形電池事業での協業を開始したトヨタ自動車とは「世界一の電池を作る」との目標の下、議論を進めているという。「まだ具体的な話をする段階ではない」とする一方、年内には進捗(しんちょく)状況について何らかの発表ができる可能性があるとした。

 米中間で多様な品目で関税が引き上げられていることについて、伊藤氏は中国で大きな生産規模を持つパナソニックの事業に「相当なインパクトがある」との見方を示した。売上高や利益への影響額についてはコメントを控えたが、中国・大連で生産している自動車用部品などについて東南アジアやメキシコに移転させることも含めて、損害の回避に努めたいとした。

https://www.sankeibiz.jp/business/news/181015/bsc1810150608005-n1.htm

2018年10月15日

電池シェア獲得へ、世界の企業が「EV化」インドに布石

インド第2位の電池メーカー、アマラ・ラジャ・バッテリーズは、2030年までに3000億ドル(約34兆1670億円)規模に成長するとみられる電気自動車(EV)用電池パック市場でシェアを獲得するため、リチウムイオンバッテリーの組立工場を建設する。

 同社のビジャヤナンド最高経営責任者(CEO)は、南部アンドラ・プラデシュ州に100メガワット時規模の組立工場を建設中であるとともに、インド工科大学と密接に連携していると述べた。新工場は、19年3月の会計年度末までの稼働が見込まれている。

「私たちは市場需要と製品開発のいずれの面から見ても、初期段階にある。当社は自動車電化の初期段階における解決策の構築に注力し、さらにOEM(相手先ブランドによる生産)プログラムにも取り組んでいる」と同氏は述べた。

 化石燃料を使用する乗用車が年間約300万台販売されるインドで、マヒンドラ&マヒンドラやタタ・モーターズ、アショック・レイランドなどの印自動車メーカーはEVの製造に取り組んでいる。

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)が今年5月に発表した世界展望によると、40年までに世界の新車販売の半数以上、全自動車の約3分の1がEVになるという。インドでは自動車販売に占めるEVの割合が30年までに7%、40年までに27%になるとみられている。

 印通信社PTIによれば、同国のモディ首相は、ハイブリッド車(HV)やEVの普及・生産拡大を目指した補助金制度、FAMEプログラムの第2段階となる新政策を策定。550億ルピー(約847億円)規模の同プログラムでは、EV普及に向けたインセンティブが含まれる。

韓国の現代自動車や日本のスズキといった海外勢も、30年までに環境に優しい車の割合を約3分の1に引き上げるという印政府の目標を受けて、市場参入を検討する。

もっとも、政府の政策立案機関であるNITIアーヨグは、EVの推進は十分な時間をかけて一貫性のある形で行わなければならないと指摘。自動車業界の雇用に悪影響を及ぼさないように進める必要があるため、移行スピードは緩やかなものになるとみている。

 アーヨグは今年6月、同国では自家用車保有率が比較的低いため、政府のEV政策は二輪車、三輪車、公共交通機関を対象にすべきだと提言した。アマラ・ラジャは、電動三輪タクシー「Eリキシャ」向けのバッテリー市場が今後5年で約20%成長すると予測する。

https://www.sankeibiz.jp/macro/news/181013/mcb1810130900001-n1.htm

2018年10月13日

EV電池、脱コバルト パナソニックなど中国勢に対抗

国内電池メーカーが相次いで電気自動車(EV)用向けに、希少金属のコバルトを極力使わない電池を開発する。中国企業の「爆買い」で争奪戦が激しく、価格が2年で3倍近くに高騰したためだ。パナソニックはまず3年以内に、電池のコバルト使用量を半減させ、将来はゼロを目指す。基幹部品である電池のコストを削減できれば、EVの普及に弾みがつきそうだ。

EVの生産コストのうち、リチウムイオン電池は3~4割を占める。電池の中で、正極材に使うコバルトなど主要原料のコストは1割を超える。正極材の材料を重さ別にみると、コバルトが2割前後といわれている。

パナソニックが米テスラなどに供給している円筒形の電池は、正極材の約8%がコバルトだ。他の電池メーカーと比べてもともと使用量が少ないが、さらに3年内に4%に引き下げる。

トヨタ自動車などに供給を増やす方針の角形電池のコバルト含有比率は、円筒形より2倍以上多いもようだが、こちらも使用を減らす。コバルトをどんな素材に切り替えるか明らかにしていないが、一般にニッケルの割合を増やすことが最も有力と見込まれている。

リチウムイオン電池はコバルトなしで作れないといわれてきた。石油天然ガス・金属鉱物資源機構の小林和昭金属企画部長はパナソニックの計画を「高いハードルだ」と指摘する。そこで同社は自社の人工知能(AI)を活用する。電池の性能は素材の組み合わせで大きく変わり、根気強い研究が必要となる。膨大な組み合わせをAIでシミュレーションし、開発を効率化する。

ジーエス・ユアサコーポレーションもホンダや三菱自動車のハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車に供給しているリチウムイオン電池のコバルト使用量を減らす。ニッケルを増やしながら、電池容量の拡大と安全性を確保する技術を確立した。

スズキにHV電池などを供給する東芝や、住友金属鉱山も技術開発を急いでいる。住友金属鉱山はリチウムイオン電池の正極材を製造しパナソニックに供給している。

英調査会社IHSマークイットによると、2025年の世界のEV市場規模は17年の約8倍にのぼる628万台となる見込み。30年には902万台に拡大する。

日本勢が強く意識しているのは、EVなど電動車の普及を急ぐ中国の企業。資源の囲い込みを急速に進めている。

バッテリーリサイクル企業の格林美(GEM)は18年3月、世界最大のコバルト生産者であるスイス資源大手グレンコアから、3年間で約5万3千トン相当のコバルトを買う契約を結んでいる。洛陽欒川モリブデン集団は16年、米フリーポート・マクモランから世界最大級の銅・コバルト鉱山、テンケ・フングルメの権益の過半を取得した。

車載電池そのものも中国勢の存在感が大きい。寧徳時代新能源科技(CATL)が17年、出荷量でパナソニックを抜いて世界首位となるなど、上位に中国勢が陣取る。

中国企業が資源確保を急いだ結果、コバルト価格の指標となるロンドン市場のスポット価格は1ポンド33.5ドルと2年前の3倍の水準にある。背景に投機マネーの流入もあった。大手商社は「今は期待先行で高騰した相場が一服しているが、しばらく30ドル台前半で推移するだろう」とみている。

コバルトの価格はニッケルの約6倍ある。コバルト生産量の6割がコンゴ民主共和国に偏り、児童労働で採掘された原料も流通しているとされ、価格以外にも安定調達の不安定要因がある。

コバルト価格は足元で下がっているとはいえ、電動車の世界需要が下支えするため元に戻るとの見方は少ない。コバルト争奪戦から抜け出すことができなければ、EVビジネスの主導権を握ることはできない。

URL:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36273090Z01C18A0TJ1000/

2018年10月10日

フッ化エチレンカーボネートをベースにした難燃性電解液を用いた5V級金属リチウム電池

Nature Nanotechnologyに発表された、フッ化エチレンカーボネートをベース(ジメチルカーボネートDMCと混合))にした難燃性電解液を用い、5V正極であるオリビンコバルト酸リチウム(LiCoPO4)やニッケルリッチ正極NMC811と金属リチウムを組み合わせた高エネルギー密度電池に関する研究を取り上げました。

詳細はこちら

2018年10月08日

Charge CCCV (C4V) が2019に量産予定の半固体電池を発表。

CCC4のホームーエージ:http://chargecccv.com/
創業者:Dr. Shailesh Upreti

 

特徴:液体を約20%含む半固体電解質をベースにしている。
   コバルトとニッケルを使用しないが、エネルギー密度380Wh / kg、700Wh / Lを達成。

以下はホームページに記載の量産化ロードマップである。Gen 1では、200 Wh/kg、500 Wh/L以上のセルを生産開始し、2019年には1GWhの生産規模にするとしている。2021年、65℃まで冷却不要、300 Wh/kg、650 Wh/Lの電池を生産するとしている。2025年にはGen 3に400 Wh/kg、800 Wh/Lにするとしている。Gen 3のみにSolid Stateの記載があるが、Gen 2までは液体電解液を使用すると考えられる。

コバルトもニッケルも正極に使用しないとのことで、正極にオリビン鉄正極、負極に金属リチウムを用いているのであろうか、と思ったが、正極はコバルトやニッケル系よりも高電位系との記載がある。

2018年10月06日

フォルクスワーゲンなど、燃料電池に必要な白金を削減する技術--触媒効率は3倍に

Volkswagen(VW)とスタンフォード大学は、燃料電池(FC)の性能向上と同時にコスト削減につながる技術を開発した。

 燃料電池は、水素と酸素を反応させて発電するのだが、その際に白金を触媒として利用する。白金は高価な金属であるため、白金の使用量を減らすことがコスト削減の鍵となる。

 現在、燃料電池の多くは、白金をカーボン粒子に付着する形で触媒として使っている。カーボン粒子を担体に利用し、白金を担持させるわけだが、触媒として機能する白金は表面に露出した一部に限られてしまう。そのため、高価な白金を活用しきれていない。

 VWとスタンフォード大学は、カーボン粒子に白金を担持させる新たな処理技術を開発。この方法で処理したところ、カーボンの表面に白金の原子が極めて薄い層を形成するようになり、従来に比べ少ない量の白金でも触媒反応が効率よく進むという。具体的には、触媒反応の効率を既存技術の3倍に高めつつ、使用する白金の量を大幅に減らしてコストを下げられる、としている。

なお、VW傘下の自動車メーカーAudiは、韓国の自動車メーカーHyundai(現代自動車)と燃料電池の技術開発で協力関係にある。また、VWは全固体電池向け技術を手がけている米国のQuantumScapeに1億ドル(約109億円)の資金提供をした。

2018年10月06日

ソニー製リチウムイオン電池を電子タバコに使うな! ソニーが注意喚起

ソニーは、安全のため、同社製リチウムイオン電池「US18650VTCシリーズ(セル単体)」を電子タバコのバッテリーとして使用しないよう注意喚起している。

同製品は、電池着脱式電子タバコでの使用や電池単体での使用、また持ち運びする事を意図して製造や販売をしていないため、誤った使用をすると重大な事故につながる可能性があるとソニーは説明。

また、今回、一般的なサイズとして多くで使われているUS18650VTCについて注意喚起を行っているが、「ソニー製電池の一切は電池着脱式電子タバコ用途には提供しておらず、市販製品としてリチウムイオン電池セル単体の販売も行っていない」とも案内。

「ソニー製リチウムイオン電池を電池着脱式電子タバコで使用せず、また、セル単体でポケット等にいれて持ち運びしない」ように注意喚起している。

2018年10月06日

HORIBA:電動化車両用バッテリーや燃料電池のテストベンチ開発・製造販売を行う「FuelCon AG」の買収完了

HORIBAのグループ会社であるホリバ・ヨーロッパは、電動化車両用バッテリーや燃料電池のテストベンチ開発・製造販売を行うFuelCon AG(フューエルコン)の買収手続きを9月末日に完了した。これをもってFuelCon社は、HORIBA FuelCon GmbHとなり、HORIBAグループ内で電動化車両用バッテリーや燃料電池の計測を牽引するとともに、世界の自動車産業における電動化開発に貢献していく。

2018年10月04日

リチウムイオンを超えるか。電池に革命を起こす「亜鉛バッテリー」

トーマス・エジソンは100年前に亜鉛製の電池を開発しようとしたが、技術的に実現できなかった。ナントエネルギーによれば、同社は初めて充電式空気亜鉛電池を商業化した。

https://newspicks.com/news/3351914/body/?ref=index

注:ナントエナジー(Nant Energy)は以前はFluidic Energyという会社であった。

2018年10月03日

いすゞ、米社と次世代の環境エンジン開発へ

いすゞ自動車は米エンジン大手のカミンズとトラック向け大型エンジンで提携する方針を固めた。環境性能の高い次世代型などを共同開発し、カミンズへの出資も視野に入れる。いすゞは8月にトヨタ自動車との資本関係を解消した。今後は主力事業ごとに他社と連携する方針で、カミンズとの提携をトヨタグループを離れた成長戦略の第1弾にする。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36071220T01C18A0MM8000/

2018年10月03日

パワーサプライ、車載用電池の生産開始

電源装置メーカーのパワーサプライテクノロジー(三重県松阪市)は、車載用のリチウムイオン電池パックの生産を始めた。今後、電気自動車(EV)関連の市場を開拓し、2020年度に約20億円の売上高を目指す。

量産品の電池パックはリチウム蓄電システムを備えた国産の高級キャンピングカー向けで、車内の補助電源としての需要を見込む。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3608671003102018L91000/

2018年10月03日

リン酸トリメチルを使いこなした高性能難燃性電解液


LiFSA(リチウムービス(フルオロスルホニルアミド、論文でFSIで記載塩と難燃性溶媒リン酸トリメチルの比率を1:2に制御し、さらにFECとLiBOBを添加剤として加えることで、難燃性で高安全なリチウムイオン電池を可能とした。

 

詳細な解説はこちら



元論文は下記をクリックください。

Non-flammable electrolytes with high salt-to-solvent ratios for Li-ion and Li-metal batteries
Nature Energy, volume 3, pages674–681 (2018)

2018年09月20日

アルカリの鉄/亜鉛(Fe/Zn)フロー電池

正極に鉄化合物であるフェロシアン化イオン、負極に亜鉛を用いたフロー電池に関する研究。電解液は強アルカリである。特徴は(1)安価な材料が活物質であること、(2)負に帯電させたセパレータを用いることで、亜鉛のデンドライトを抑制した。

 

 


同様な活物質を用いたフロー電池はViZn社が実用化を検討されている電池であり、注目されているが、正極活物質であるフェロシアン化化合物のアルカリ中での溶解度が低く、本論文でも0.5Mである。バナジウム系のフロー電池では1~2Mの濃度で使用されているため、濃度が低い分、電池のエネルギー密度は低下する。


*ただし、本論文では触れられていないが、フェロシアン化化合物の溶解度は約2倍にすることが可能である。

2018年09月19日